じいさまの友達

じいさまは留守番をしていた。

控え室住人はそれぞれ仕事に出かけたが
じいさまの場合、年齢や体力的に
留守番しかする事がない。

じいさまは孤独だった。

そんな時、部屋の隅で蠢くものを見つけた。

真っ黒い生き物だ。
お菓子を見ているようだ。

何だかよくわからないが、
お菓子を与えてみる。

おお・・・取りに来た!!

かなり喜んでるようだ。

じいさまもちょっと嬉しかった。

握手・・・

二人の間に何か芽生えつつあった。

じいさまは、寂しさを癒してくれたお礼に
もうひとつお菓子をあげることにした。

二人に芽生えつつあったものは、
友情かもしれないとじいさまは感じた。

が!

突然、黒い友人は苦しみながら逃げ出した。

おお・・・どうしたのだ!?

突然帰ってきた叫ぶオヤジが
殺虫剤をふりまいたのだった。

叫ぶオヤジの話によれば、
あれはゴキブリで食料を荒らす上に
大腸菌の塊で汚いらしい。

じいさまは退治しなかった事を
激しく責められた。

それから1週間・・・

黒い友人は現れない。
友情は幻だったのかもしれない。

じいさまは、また孤独なじいさまに戻った。

そんな時、黒い友人はまたも
じいさまの前に姿を見せたのだった。

しかもお土産を抱えて・・・

友情を確かめ合う二人

そこにはゴキブリと人間との隔たりなどない。

じいさまは嬉しかった

じいさまは、泣きながら
黒い友人の持ってきてくれたお土産を食べた。


・・・・・が・・・・・

その後、
じいさまがどんな目に遭ったかは
言うまでも無い。